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人口の減少はエリアにより大きく異なる【長期的人口推移将来予測】

人口の減少や流出が空き家に与える影響は大きいということは、都道府県別に見る空き家事情と人口推移・高齢化の関係人口流出と高齢化が戸建てと賃貸住宅の空き家を作り出すでお話しをしているので、理解できていると思います。

では、今後の日本の人口はどのように減少していくのか、どのような流出をしていくのか。

こういったことを理解しておくことにより、今後の空き家に対する取り組みや対策を打つべきエリアなどが明確になってきます。

また、不動産投資などをする上でも役立つはずでしょう。

 

この記事内で出て来る表やグラフなどの画像は、国土の長期展望のものを転用させていただいております。

より詳しく知りたいという方は、リンク先を熟読していただければと思います。

 

日本の人口は大きく急な山を描く

明治以降4倍近くも人口が急増した日本ですが、現在では転換の局面を迎えています。

人口は2004年をピークに一気に下落して行くことが予測されており、ピーク時から26年後の2030年には1262万人減少し、46年後の2050年には3269万人もの人口が減少します。

2050年には、約25%もの人口の減少が予測されているのです。

人口推移

なお、人口減少と同時に問題となるのが高齢化です。

現在、65歳以上である人口の割合は、20%程度に過ぎませんが、2030年には30%を超え2050年には40%近くにまで増加します。

高齢化の2040年まで続き、その後は高齢者の増加割合も緩やかになり、2100年で40.6%と2050年から50年経過後でも1%程度しか変化はありません。

 

高齢化が最も深刻になるのが東京圏で、2050年の増加率2005年比で見て87.1%と全国平均の46.6%よりも40%も多くなっています。

他に増加率が高いのが沖縄県で94.7%、近畿圏49.7%、中部圏48.1%で、人口が多い地域ほど高齢化率が高くなっているのがわかります。

 

高齢者が増加するのに対して、15歳から64歳までの生産年齢の人口は減少傾向にあり、2005年の66.1%から2050年の51.8%まで落ち込み、14歳以下の若年人口は13.8%から8.6%まで落ち込みます。

働き手が減り年金などの受給者が増えるという何とも重い将来が待っているのです。

それに合わせて、世帯数も減少しますから空き家の増加は免れないということは明白でしょう。

 

2割以上の地域が人口ゼロへ

2005年を基準として45年後の2050年には、現在人が住んでいる地域であったとしても21.6%が人口ゼロとなる予測となっています。

いわゆるゴーストタウンというものですね。

無居住地域が最も多くなると予測されているのが北海道で52.3%、次いで四国26.2%中国24.4%と続いています。

その他の地域でも15%前後に推移しており、首都圏に関しては8.5%と低い水準となっています。

 

人口の増減

やはり首都圏は無居住地域も少なく推移し、他の地域と比べても人口減少率は緩やかで安定した人口を保つことができるようです。

それに対して地方地域では大きな人口減少率となり、東北や北海道地域では2050年の人口が2005年比で-40%前後の減少率となっています。

2050年には人口が年間で110万人の自然減少が予測されていますが、地方地域ではそれに加えて都市部への人口流出も加わることになるのです。

 

ちなみに、2050年の人口増減率2005年比で見てみると、全国平均-25.5%よりも減少が多いエリアが北海道・東北圏・北陸圏・近畿圏・中国圏・四国圏・九州圏となっており、全国平均よりも減少が少ないエリアが首都圏(東京圏)・中部圏(名古屋圏)・沖縄県となっています。

この3エリアとその他エリアとの減少率の差が大きくひらいており、地方地域から都市部への人口の流出が顕著に表れています。

 

また、高齢化の影響もあり人口の少ない小規模な市区町村での人口減少率が高くなっており、30万人以上の市区町村が減少率20%前後なのに対して、1万人以下の市区町村が50%近い減少率となっていて、前述した無居住地域はこういった小規模な市区町村から起こってくるのです。

たとえ無居住地域とならなくても、小規模な市区町村では人口が半減するということは当たり前にあるということが分かります。

 

こういった人口減少による無居住地域などが発生することにより、所有者が不明となる土地が増えてくるという問題も大きくなってきます。

今現在でもこの所有者不明の土地というものは存在しており、2005年の時点で10000件を超えていて2050年には45000件を超えてくる可能性があると予測されています。

 

東京圏での世帯数の減少は45年で僅か-0.3%

人口の減少率が45年間で-25.5%なのに対して、世帯数の減少率は45年間で-14.3%と緩やかとなっています。

これは単身世帯の増加が原因です。

2015年現在の単身世帯が1656万なのに対して、2050年には1786万と130万世帯の増加が予測されておりますので、これが世帯数減少を緩やかにする一因です。

ただ、夫婦や親と子などの家族世帯は減少傾向にありますので、全体の世帯数としては緩やかであったとしても減少傾向になります。

 

世帯数の減少率が低い地域は、人口の場合と似たような状況となっており、全国平均の-14.3%よりも小さいのが首都圏(東京圏)・中部圏(名古屋圏)で、その他の地域は全て平均よりも大きくなっています。

沖縄県に関しては、唯一のプラスとなっており、+18.8%。

世帯数推移

これらの状況を見るとワンルームなどを所有している投資家さんは、有利に思えるかも知れませんが、この単身世帯の多くが高齢者になりますので、ワンルームなど小さい住居よりも広めの住居を好むと予測されます。

ですので、空き家の多くがファミリータイプということもあり、広すぎない空き家の所有者に関しては活用の糸口が見えてくる可能性もありますね。

 

また、高齢者は人口の多い都市部などで多くなるということを前述しましたが、高齢者の単身世帯も例外なく東京圏や名古屋圏で最も多くなることが予測されており、2050年の2005年比で東京圏では210%、名古屋圏では204%という驚きの数値が出てきているのです。

 

住宅サイズにより需要は異なる

下記のグラフは住宅ストックと住宅需要を比較したものです。

単身世帯が増えることにより、69平米程度以下の住居の需要がストックよりも多いことが分かります。

また、70平米以上の大きめの住居に関しては大きくなればなるほど需要が少なくなり、150平米以上に関しては需要よりもストックの方が多くなり供給過多ということが明白になります。

住宅需要

東京都に関しては、70平米以上で需要とストックのバランスが崩れているのが分かります。

ただ、単身世帯でも高齢化が進むことにより、高齢者の単身世帯が増えることが予測されますので、荷物が多いなどの理由から小さい住居では単身だとしても需要は少なくなるでしょう。

ですから、最低でも30平米以上から需要が出てくると予測できます。

 

ただし、全体的な住宅の需要は、世帯数の減少により小さくなることが予測されますので、住宅の供給過多、ストックの超過が引き起こす空き家問題は益々大きくなることは間違いありません。

空き家の対策を今後強化するのかどうかによって、今後の空き家問題は大きく左右されるでしょう。

現在の空き家件数は820万戸と言われていますが、何の対策もせずに時間だけが経ってしまった場合の空き家件数は2050年には1500万戸を超えることが予測され、毎年1割の空き家除却などが行われるような対策が行われた場合の空き家件数は900万戸程度に抑えられます。

 

人口減少の起因する問題の対策

人口減少により引き起こされる問題は多肢に渡り、その問題に対する施策は多く行われています。

企業では人口の減少を見込みグローバル化が進められたり、国は外国人の受け入れを強化したり、若年層による年金負担の増額、福祉に使われるお金の増加による増税、空き家活用ナビでお話しをさせていただいている空き家問題に対する法律の制定、行政によるコンパクトシティ化、この様に人口の増減は経済に大きな影響を与えるのです。

 

今後は更に人口の減少、世帯数の減少が進みますから、これらの問題は更に大きくなってきます。

事前に対策を取り、問題が大きくなる前の対処が求められるでしょう。

 

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