シャッター商店街

空き家は居住用だけじゃない!商店街が苦しむ空き店舗

空き家と考えると戸建やマンションなどを思い浮かべてしまいますが、空き家で苦しんでいるのは居住用だけではないんですね。

そう、店舗です。

よくシャッター商店街などと比喩されますが、まさに空き店舗が増えすぎて昼間の商店街なのに常にシャッターが閉まり切っているという状況が全国各地で起こり始めてしまっています。

今後は、空き店舗を活用するなどして、こういったシャッター商店街の復興なども重要になってくるでしょう。

 

なぜならば、商店街が賑わっていない地域は必然的に人が少なくなり空き家が増えてしまうからです。

この逆も言えるかも知れません。

人口減少により空き家が増えることで、シャッター商店街ができてしまう。

まあ、これを言い始めてしまうと卵が先か鶏が先かという話しになってしまいますので、この議題は後日。

 

商店街に空き店舗が増える原因

商店街の店舗が空いてしまうのは、空き家の原因と同じこと以外に空き家とは違う社会情勢も大いに関わってきます。

居住用の建物と最も違うのが店舗の場合は、売り上げや利益を出していなければならないということでしょう。

すなわち、景気や情勢に大きく左右されるということ。

 

現在の日本では、大企業の景気は良く過去最大の利益を上げている企業も多く出てきています。

ですから、日本全体の景気としては上向きと捉えられていますが、その好景気の流れは中小零細企業や商店などには来ていません。

 

こういった大企業が出す大型ショッピングモールや百貨店などが多く乱立することにより、多くの消費者を奪われてしまい泣く泣くお店を閉めてしまっている店主も多いのも事実ですので、好景気とは裏腹に空き店舗が増え続けているのです。

また、通販やネット販売などが大きく成長することにより、消費者の購買方法の多様化が進むことで商店街への足が遠のく結果となっています。

こういった外部要因により、空き店舗が増加しているのです。

 

現在や将来の空き店舗増加を食い止める策

このような空き店舗が増え続けている状況の中、将来的な空き店舗を増やさないため、商店街の活性化の足がかりとなる資料のために現在の商店街の状況を調査した商店街実態調査が3年に1度中小企業庁により行われています。

現在の商店街がどのような状況なのか、空き店舗がどれくらいあるのか、また店舗の所有者はどういった意思を持っているのかなどを見ることにより、今後の空き店舗の活用についても解決策が見えてきます。

 

この商店街実態調査(平成24年)は、全国を調査地域とし商店街振興組合や事業協同組合及び任意団体に対してアンケート発送、郵送回収とインターネットによる回収により行ったもので、有効回答件数は3066件となっています。

それでは、この調査によりどういったことが見えてきたのかを見て行きましょう。

 

商店街の店舗数

商店街の平均店舗数は、平成15年が53.34店、平成18年が59.2店、平成21年が51.7店、平成24年が52.9店と近年はほぼ横ばいとなっていますが、平均店舗数が直近最大であった昭和60年の85.7店と比べると、ここ30年で38.28%減と大きく減少しているのが見て取れます。

 

各商店街の店舗数は、1店から19店が最も多く21.2%となっており、90店から99店の1.9%まで右肩下がりで割合が少なくなっていますが、全国的には52.9店舗と大きく平均が跳ね上がっていることから、少数の大規模な商店街が多くの小規模な商店街を上回り平均を吊り上げています。

店舗数

 

図表提供元:商店街実態調査報告書(以下図表同)

 

商店街の区分別では、平成21年度と平成24年を比較してみると、超広域型商店街が89.8店から149.4店と大きく店舗数を伸ばしているのに対して、近隣型商店街が44.2店から43店へ数を減らしています。

店舗が大型商店街に集中してきているということが分かりますが、このままでは小さな町の商店街が壊滅的な状況になることは誰でも予想が付くでしょう。

ちなみに、超広域型商店街とは大型量販店などを始め有名高級専門店を中心とした店舗が並び遠距離からの集客力を持った商店街のことを指しています。

近隣型商店街は、その逆で地元の人しかこないような食品や日用品を購入する商店街です。

年度別店舗比較

図表提供元:商店街実態調査概要版(以下図表同)

 

商店街の中に入っているチェーン店の数は、全国平均4.2店となっていますが、平成21年の3.9店と比べると7.15%の増加となっています。

チェーン店が1店も入っていないが34.3%と以外と多くありますが、これらの商店街は地方に集中していると言えるでしょう。

 

チェーン店舗数

 

 

平成21年から平成24年の間でのチェーン店の店舗数状況に対する質問には、変わらないが最も多く66.1%。

次いで、増えたが16.7%となっており、減ったの5.5%よりも多い結果になっています。

チェーン店の状況

 

業種別に見る店舗数

店舗の業種別で見ると飲食店が増え衣料品などの小売店が減少しているのが分かります。

増加傾向の業種が飲食店とその他で、それ以外は減ったという回答の方が上回り、減少傾向にあると言えます。

百貨店や大型量販店に関しては無回答が多いため、あまり参考にはならないでしょう。

業種別店舗数推移

 

空き店舗数の推移

左の図表が商店街あたりの空き店舗数で、右の図表が年度別の空き店舗数と空き店舗率です。

左図表で注目すべきは、10店以上の空き店舗が存在する商店街が19.6%(10店から19店が14.2%、20店以上が5.4%)となっており、全体の2割近くを占めているという事実です。

また、右図表で分かるように年々空き家率は増加傾向にあり、平成15年の7.31%から3年毎に1.67%、1.84%、3.8%と増加し、平成24年には14.62%と9年で7.31%も増加しています。

空き店舗数

これら2つの図表から今後の空き店舗は、空き家と同じく際限なく増加して行くということが理解できます。

 

空き店舗が増えたと答えた商店街を地域別で見てみると、最も低いのが29.3%の関東、次いで36.2%の近畿となっています。

逆に最も割合が高いのが53.3%の四国ですので、最も低い関東と最も高い四国の差は24%と大きな差が出ており、地方と都市部の差が大きいことが分かります。

地域別空き店舗

また、空き店舗が増えてしまう理由としては、商店街に活気がなかったり、そもそも店舗の所有者が貸す意思がなかったり、家賃設定が高かったりといったことが上位に来ています。

 

平成21年から平成24年の間で退店(廃業)した店舗数の平均は全国で4店となり、全国各地で多くの店舗が空きの状態になってきているということが理解できます。

驚くことに10店以上退店が3.4%と多く存在していることです。

中でも20店以上の退店が0.9%と少なくとも存在していることが、今後の空き店舗問題の不安要素となることは間違いないでしょう。

退店店舗

退店した理由としては、店主の高齢化や後継者がいないが最も多く、続いて商店街に活気がない、他地域への移転、他社との競合、大型店の進出などが上げられています。

 

現在の商店街の状況実態

商店街の景況調査では、平成21年度と平成24年度の比較で見ると、全体的には衰退の恐れがある、衰退しているが圧倒的な割合にはなります。

しかし、わずかではありますが、繁栄の兆しがあるとの回答が平成21年度が2%に対して、平成24年度は2.3%と0.3%だけですが伸びており、衰退しているとの回答でも平成21年度が44.2%なのに対して、平成24年度は43.2%と1%の減少が見られます。

衰退の恐れがあるでも0.4%の改善が見られるなど、わずかではありますが衰退が緩やかになっていたり、衰退が抑えられていたりする可能性もあるようです。

商店街の景況

 

また、商店街への来訪者数に対しての質問でも同じような結果が出ており、減ったとの回答が平成21年度では76.8%なのに対して、平成24年度は72.6%と4.2%もの改善が見られます。

来訪者数が増えたと答えた割合もわずか1.1%ではありますが、改善しています。

商店街への来訪者数

 

総合的に見ると空き店舗は増加傾向にありますが、商店街としての景況としては悪い方向だけに進んでいる訳ではなく、一部では衰退が食い止められていたり、来訪者数の減少がわずかですが改善されている面もありますので、全てが悪い方向へと進んでいるわけではなさそうです。

ただ、全体的な方向性としては、商店街の衰退・空き店舗の増加は避けては通れないとも思いますので、衰退をどう抑制するのか、空き店舗の増加許さず、現空の店舗をどう活用するのかということが今後の課題となってくるでしょう。

 

商店街が一丸となりイベント開催や店舗の宣伝を行ったり、防犯や防災といったソフト面での取り組みや、ライトやカメラの設置、歩道の整備などのハード面での取り組みが重要となってくることは、言うまでもありません。

商店街は、1店舗1店舗が組織として動くことにより成り立つシステムです。

うちの1店舗が動いたところで、この商店街は変わらないと思わず、うちの1店舗から動こうといった意識が大切でしょう。

そういった1店舗の行動が多くの店舗を動かす結果で商店街全体が活性化されるのです。

 

ですから、うちの1店舗くらい空き店舗になっていても問題ないと思うのは間違いで、その1店舗の空きが他の店舗の空きを招き、結果的に商店街の衰退へと繋がって行ってしまうのです。

空き店舗を所有しているのであれば、是非、商店街のために活用を考えてみて下さい。

その1歩が大きな1歩となることは間違いありません。

 

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