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空室率の低い都道府県への投資の危険性

空き家の問題では、使われなくなった家や今後も使う予定のない家が大きく問題視されていますが、都道府県別に見る空き家事情と人口推移・高齢化の関係でも触れたように賃貸住宅の空き家という問題もあります。

ここで一番影響が大きいのが不動産投資家です。

 

不動産投資の中にも色々とありますが、大きく分けると2つあり、インカムゲイン狙いの賃貸とキャピタルゲイン狙いの売買です。

簡単に説明すると、インカムゲインとは毎月の収入を得ることを目的とした投資で、キャピタルゲインとは値上り差益を目的とした売買を行う投資方法になります。

ですので、空室率が高くなってくると大きく影響を受けるのがインカムゲインを目的とした賃貸不動産投資家ということになります。

 

また、賃貸住宅の空き家が増えてくると投資家だけでなく近隣住民にも影響が出てくるでしょう。

使われていない家で放置された空き家ほどではない場合がほとんどですが、空き家が増えてくると共同住宅と言えども住環境の悪化などの懸念も出てきます。

賃貸アパートや賃貸マンションの敷地内の草や木が生い茂ったままになったり、外観が廃墟のような状態になっても放置されたままになるなど、見た目上の問題も出てくることがあります。

 

こういった状況になる理由としては、空室率が高い賃貸住宅の場合は、投資家からすると利益を生み出さない物件となるので、建物の修繕や敷地の管理にお金をかけなくなり、放置するようになるという背景があるようです。

または、地主が所有者で元々賃貸経営には興味がなく、ただ単純に放置されてしまっているということも考えられます。

普通に考えると、見た目が悪くなった賃貸住宅には住みたくないと思うのが当然ですので、さらに空室率が高くなるという悪循環になる可能性が極めて高くなります。

 

都市部から離れるほど高くなる空室率

賃貸アパートや賃貸マンションの空室率が高くなる地域は、基本的には人口が減少傾向にある地方に多く見られます。

HOME’S不動産投資の見える!賃貸経営では、全国賃貸住宅空室率などを見ることができますが、2015年8月現在の全国の平均空室率は19%となっており、福井県が最も高く30%を超えている状況です。

※統計局の住宅土地統計調査結果とは、根本的な調査方法が違いますので数値は違ってきますので参考程度に捉えて下さい。

次いで、山梨県28%、長野県27%、茨城県27%、青森県26%と続いています。

空室率の高い県はどこも地方と呼ばれるエリアになります。

都道府県別空室率ランキング

空室率
福井県 30.10%
山梨県 28.20%
長野県 27.70%
茨城県 27.50%
青森県 26.10%
岐阜県 25.60%
群馬県 25.00%
奈良県 24.70%
秋田県 24.50%
和歌山県 24.50%
香川県 24.50%
栃木県 24.40%
富山県 24.00%
石川県 23.60%
岩手県 23.30%
鳥取県 22.90%
福島県 22.80%
高知県 22.80%
徳島県 22.40%
山形県 22.00%
宮城県 21.50%
新潟県 21.50%
三重県 21.30%
愛媛県 21.20%
北海道 20.80%
千葉県 20.50%
大阪府 20.10%
兵庫県 19.90%
山口県 19.10%
福岡県 18.90%
島根県 18.70%
岡山県 18.60%
静岡県 18.50%
埼玉県 18.40%
長崎県 18.40%
広島県 18.20%
大分県 18.10%
熊本県 17.90%
滋賀県 17.70%
鹿児島県 17.60%
京都府 17.50%
神奈川県 16.10%
愛知県 16.10%
宮崎県 15.80%
佐賀県 15.70%
東京都 14.50%
沖縄県 11.70%

そして、空室率が低いのが沖縄県11%、東京都14%、佐賀県15%と続いています。

人口の増加率で言うと、1位が東京都の4.2%、2位が神奈川県の3.6%、3位が沖縄県の3.3%となっており、沖縄は賃貸住宅の供給数が少ないにも関わらず人口増となっているので、空室率が他の都道府県と比べても低くなっていると考えられます。

※平成12年から平成17年の人口増減率。

 

単純な空室率の低い都道府県への投資は危険

全国で最も空室率が低い沖縄県や東京都であれば安定して不動産投資をして行けるのかと言えばそれは嘘になります。

何故ならば、空室率の低い沖縄県や東京都の中にも空室率が高い地域は存在するからです。

ですから、投資をする際にはミクロで見る必要があるということですね。

 

下図は沖縄県のエリア別空室率ランキングです。

沖縄の中心と言っても良い那覇市が最も空室率が高いのが分かります。

まぁ、それでも14%ですから他の地域と比べても良い方ですが・・・

注目すべきは東京都です。

沖縄県空室率ランキング

空室率
那覇市 14.80%
うるま市 14.40%
名護市 12.90%
糸満市 10.80%
宮古島市 10.40%
島尻郡 10.10%
浦添市 9.80%
宜野湾市 9.70%
南城市 9.70%
沖縄市 9.50%
石垣市 8.90%
中頭郡 8.30%
豊見城市 5.80%

 

東京都で最も空室率が高いのが千代田区で驚愕の36%!

次に高いのが目黒区の28%、中央区の27%と続いています。

その次の荒川区は20%と一気に空室率が下がることになります。

 

目黒区と言えば、中目黒から自由が丘と人気の高いエリアにはなりますが、空室率で言うと23区内でワースト2位。

賃貸住宅の供給過剰や賃料帯が高く安い他の地域への流出などが考えられます。

 

23区空室率ランキング

空室率
千代田区 36.50%
目黒区 28.20%
中央区 27.70%
荒川区 20.50%
豊島区 18.90%
台東区 18.40%
足立区 18.20%
大田区 17.40%
葛飾区 16.90%
練馬区 15.50%
新宿区 15.00%
渋谷区 14.80%
板橋区 14.30%
港区 13.90%
文京区 13.10%
杉並区 12.90%
品川区 12.30%
北区 12.10%
中野区 9.90%
墨田区 9.80%
江東区 7.40%

東京都23区内で空室率が最も低いのが江東区の7%。

最も空室率が高い千代田区と比べると29%もの差があるのです。

ですから、空室率が低い都道府県という大きな視点で見るのではなく、空室率が低い都道府県の中でも空室率が低いエリアというミクロの視点からも見るべきだということが分かります。

 

さらに言ってしまうと、空室率が低いエリア(東京都で言うと江東区)の中でも、○○町では空室率が高く○○3丁目は空室率が低いということもあるということも認識すべきでしょう。

また、その空室率が低い理由を知るということも重要です。

このことに付いては、また違う機会にお話しをしたいと思います。

 

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